BANANA FISH / バナナフィッシュ

BANANA FISH / バナナフィッシュ

『BANANA FISH(バナナフィッシュ)』とは、『別冊少女コミック』で連載されていた吉田秋生によるバイオレンスサスペンス漫画。1980年代のニューヨークを舞台に、バナナフィッシュというドラッグをめぐる、ストリートキッズ、アッシュの戦いを描く。ハードな抗争を繰り広げる一方、孤高に生きてきたアッシュが英二との友情を通して人間らしさや愛を覚えていく姿が描かれている。かねてより名作として人気を博していたが、2018年に吉田秋生40周年プロジェクトでアニメ化され、人気が再燃した。

na_23255のレビュー・評価・感想

BANANA FISH / バナナフィッシュ
10

最終回をみてから3ヶ月引きずった作品

アニメ好きにも、そうでない方にもぜひお勧めしたい作品。

アメリカのニューヨークが舞台。日本から取材の付き添いでやってきた主人公の瑛二が、アングラ社会で生きる少年アッシュと出会い、謎の薬物「バナナフィッシュ」を巡る事件に巻き込まれる。
瑛二はアッシュと共に過ごす中で、彼がアングラ社会に入るまでの壮絶な過去と、深い心の傷を知る。幼少期から整った容姿が原因で幾度となく性暴力に遭い、その後明晰な頭脳を評価されて教育を受けるも、アングラ社会のボスとして生きる道を選ばざるを得なかった。
しかし、大人びたアッシュにも17歳の少年らしい一面や優しさがあることを知り、瑛二はアッシュがこれ以上苦しまないで過ごせるようにと願うようになる。

アッシュは瑛二と生きる未来と、このままアングラで生きる未来の狭間で葛藤する。そして、アッシュを縛り付けていた黒幕のゴルツィネをなんとか倒すことに成功した。その後穏やかな日々がすぎるが、瑛二が日本へ帰国する日がやってくる。アッシュは瑛二と共に日本へ発つのか、それともアングラのボスとして生きて行くのか、最後の決断を見届けてほしい。あまりにも残酷で目を逸らしたくなるようなアッシュの人生を見て、ある意味で「見なければ良かった」と後悔する作品。