PSYCHO-PASS / サイコパス

PSYCHO-PASS / サイコパス

『PSYCHO-PASS サイコパス』とは、2012年10月からフジテレビ「ノイタミナ」にて放送が開始された、Pruduction I.G制作のオリジナルテレビアニメ作品。 第1期のアニメ放送で人気を博した『PSYCHO-PASS サイコパス』は、第2期、第3期が放送された。 また、映画も4作品公開されるほどに人気のアニメ作品になっている。
人間のあらゆる心理状態や性格傾向などが数値として計測可能な「シビュラシステム」の導入された近未来の東京。人が犯罪を犯す可能性は、「犯罪係数」として可視化できるようになっていた。 ドミネーターと呼ばれる拳銃型機械を用いて警察が犯罪係数の高い人々を逮捕・排除する世の中で厚生省管轄の警察組織「公安局」の監視官である主人公の常守朱(つねもり あかね)と執行官の狡噛慎也(こうがみ しんや)や仲間たちが凶悪犯に立ち向かいながらも抱えた闇と戦っていく。管理社会のディストピアのなかでの犯罪者、刑事の物語が描かれており、特殊能力バトルではなく、互いの知能を駆使した「知恵比べ」が中心となる。
また、アニメの『PSYCHO-PASS サイコパス』は、漫画の『監視官常守朱』というタイトルを元に作成されており、漫画は全部で6巻ある。 他にもアニメと付随した漫画も発売されている。登場人物達の葛藤やジレンマを追う群像劇や近未来的事件解決の物語は国内外からも厚い支持を受けている。

luka_pf5のレビュー・評価・感想

PSYCHO-PASS / サイコパス
10

バカ野郎って、10年越しに言い返されるとは常守さんも思ってなかったでしょうね。【劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE】

『PSYCHO-PASS』は2012年に放送がスタートした、近未来の刑事たちが正義の在り方について葛藤する様を描いたアニメーション。テレビシリーズから映画と歴史を歩み続け、10周年の2023年5月に『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』が公開された。

物語の舞台は、世界紛争により荒廃した国際社会において、鎖国を貫き法治国家として争いを逃れた日本。
日本では「シビュラシステム」という人間の心理状態や性格的傾向を測定し数値化するネットワークがあり、測定した数値「PSYCHO-PASS(サイコパス)」により、犯罪を起こす前に「潜在犯」として捕らえられることが社会の平和と秩序を守ることだと国民には周知されている。
映画は第1シリーズから作品内では5年経過しており、「シビュラシステムがあれば犯罪者を事前に捕まえることができるため、法律は不要だ」という政府の官僚たちと、主人公の常守朱(つねもりあかね)は刑事として戦うことになる。

作中で起こる事件によって常守朱と狡噛慎也の関係は、上司と部下から刑事と逃亡犯と関係性が変わって行くのも特徴。
常守の正義の在り方は、部下時代の狡噛からの影響を強く受けている。法で裁けない犯罪者が生じた場合のことを考えない官僚たちの意識を変えるため、常守は物語終盤である選択をする。その際に狡噛から出たセリフが「バカ野郎」なのだ。
これは1期で常守が狡噛に対して「バカ」と言ったことを踏まえると、非常に皮肉が効いている。シリーズを見たことがない人でも、本作は楽しめるようにできているのでぜひ視聴してほしい。