闇芝居

kai-hazamaf9のレビュー・評価・感想

闇芝居
9

怖いどころかスッキリした第12期第11話「読み聞かせ」

図書館で行われる夜の絵本の読み聞かせイベントにやってきた若いカップル。会場にいる進行係や既に席についている女性たちの顔が口以外見えないので、あ、これはカップルが女性たちに襲われてバットエンドだな、と推測しました。しかし、結末は違いました。絵本に出てくるどうぶつの森に住むキツネは、恋人のウサギに隠し事をしています。それは、多くの女の子の動物たちを言いなりにしていて、お金を稼がせていることです。現実でいう、今もどこかで起きている洗脳と性的搾取です。ここで、カップルの男の方が帰ろうとします。しかし、途中退場禁止のルールで帰れませんでした。絵本の続きが読まれます。キツネに利用された挙句に死んでしまった女の子の動物たちは、幽霊となってウサギの前に現れ、キツネをどうしてやろうかと話し合います。結果、キツネは森の掟に従って処罰されることになりました。「森の掟?」と男が疑問を口にしたその直後、いっしょに読み聞かせに来た彼女と周囲の女性たちの顔が、絵本の中でキツネに騙された動物たちに変わりました。そう、キツネと男は同一人物で、女性を性的搾取と金儲けの道具として扱っていたのです。そして、森の番人である狼が図書館に現れて、キツネは今までの報いで食べられてしまいました。
人によっては、なぜ悪い魔法のような復讐劇が図書館で起こったのか考察をしたり、非現実的な復讐話に震えるかもしれません。ですが、書き手は他人の心体や人生を壊してでもお金を求めたクズ男の、ざまあカンカンな末路にスッキリ爽快な気分になりました。