闇芝居

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殺人鬼より怖いハエの浸蝕!12期第9話「面会謝絶」

最初に言ってしまうと、このアニメは虫が大量に出現する閲覧注意なホラーであり、オチについての説明の描写がないまま主人公がバッドエンドを迎えます。虫に耐性があり、考察好きな人向けの内容になっています。
主人公よしのぶは、旅行中に交通事故に遭ってお母さんと山奥の病院に入院しますが、お母さんだけが面会謝絶状態になります。院長先生にお母さんの容態を聞いても、「人の心配している場合か」と、濁す言い方をされる始末。この時、院長先生は飛んできたハエが自分の鼻の中に入っても微動だにしません。この病院はハエが人の周りをやたらと飛んでいて、誰もそれを嫌がったりしないのです。ハエのぶんぶんと鳴らす羽音すらも嫌いな書き手からしたら、日常的にハエがたくさん飛んでいるなんて、耐えられません。ましてや体内にハエが進入するのは、ホラー映画で殺人鬼が突撃してくるよりも恐ろしいです。お母さんの病室に鍵が掛かっていないので部屋に入ったよしのぶは、お母さんがゾンビのように狂暴な顔で肉を貪っている姿を見て、病院に何かされたんだと思い、お母さんの手をとって逃亡の決意をします。外に出たよしのぶは、事故で大きく歪んだお母さんが運転していた車と、車とぶつかって壊れた石碑を発見します。その石碑はよく見るとハエの模様が刻まれていました。ふと気づくと、お母さんが生きている犬を食べているので、「やめてくれ」と訴えていたら、よしのぶはハエの大群に囲まれました。そして、ハエに体を犯されて狂ったよしのぶは、院長先生に「病院に戻ろう」と言われ、ハエが群がっている瞳で返事をするのでした。物語はここで終わりです。
あの病院が立っている土地は、古くからハエを神として奉っているから石碑が建てられたのではないか、病院の関係者、院長先生は神であるハエと主従関係を先祖の代から結んでいるから、傍を飛んでいても体内に入っても追い払えなかったのでは。よしのぶとお母さんがハエに犯されたのは、石碑を壊した罰当たりな罪人だったからなのか。
身近な害虫に浸蝕されるトラウマ要素が濃いめですが、考察が止まらない一作でした。