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解像度が高すぎる冴羽 獠は必見(実写版レビュー)
まず始めに、こういった漫画原作の作品に対して「原作を知らなくても楽しめるのか」を気にされる方が一定数いらっしゃいますが、本作は問題なく楽しめる作品になっています。
相棒の敵討ちのために奔走するという非常にシンプルなストーリーでしたが、本作最大の魅力は主人公の冴羽 獠を完璧に演じきった鈴木 亮平の演技力でしょう。
普段の冴羽 獠は美しい女性にめっぽう弱く軽薄な男といった印象なのですが、仕事になるとその印象はガラリと変わり、圧倒的な実力で敵をねじ伏せます。
思わず惚れてしまうこのギャップが彼の最大の魅力だと思いますが、これを鈴木 亮平があまりにも完璧に演じています。
本編公開前のティザー映像でも確認できるパンツ一丁で踊る場面では、コメディに振り切った大胆な演技を披露する一方で、戦闘シーンでは洗練されたアクションで敵をスマートになぎ倒します。
筆者が特に印象的だったのは拳銃を扱う際の1つ1つの所作です。
弾をリロードする際の一連の手際があまりにも美しく、この場面だけを繰り返し見てしまうほど魅力的でした。
冴羽 獠というキャラクターの解像度を極限まで高めて演技に臨んでいることがうかがえる鈴木 亮平の徹底ぶりには圧巻です。ラストはお決まりの”あの曲”で綺麗にしめてくれたのもよかったですね。