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現代社会の希望を描いた映画!『夜明けのすべて』で描かれた温かさとは?
松村北斗(SixTONES)と上白石萌音がW主演の『夜明けのすべて』は、現代社会に失われつつある”優しさ”が詰まった作品だ。PMS(月経前症候群)を抱える女性を上白石萌音が、パニック障害を持つ男性を松村北斗がそれぞれ演じている。
決して多くの人が抱える症状ではないが故に、他者に理解されないのではないかと壁を作っていた2人が、手を差し伸べ合っていく過程がなんとも温かい。そして2人の職場の人達も、優しく彼らを見守っている風景がカメラに収まっているのもとても温かい。たとえ当事者ではなくても、全てを理解できなかったとしても、助けることはできる。一言心配の声をかける、理解しようとする姿勢でコミュニケーションしてみる、1つ1つの些細な心の寄り添いが大きな助けになる。そんな温かなメッセージが本作の根底にあるのだ。
そして16mmフィルムで撮影された映像は、光をより温かく映し出す。本作は手を差し伸べるというテーマ性と温かみの増した映像が呼応することで、なんとも心地の良い映画体験になっている。SNSが一般化し、他人の誹謗中傷が可視化されるようになった現代にとても必要な映画ではないかと思う。一旦スマホを置いて、身を任せるように観て欲しい。きっと素晴らしい体験が待っているはずだ。