トップガン マーヴェリック / Top Gun: Maverick

トップガン マーヴェリック / Top Gun: Maverick

『トップガン マーヴェリック』とは、2022年に公開された、米海軍のエリート・パイロットチーム「トップガン」をテーマにしたアクション映画。1986年公開の『トップガン』の36年振りの続編にあたる。不可能なミッション達成のために指名されたのは、伝説のパイロット、ピート・マーヴェリック・ミッチェル海軍大佐。マーヴェリックは精鋭パイロット達に訓練を施す教官として、若きトップガンと共に命を懸ける。
全世界興行収入は、主演であるトム・クルーズのキャリア史上最高額となる10億ドル超えを達成している。

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トップガン マーヴェリック / Top Gun: Maverick
9

衰えを知らないトム・クルーズ!ハリウッド流「中年」のお手本でトップを爆走。

トム・クルーズはいつまで飛び続けるのか。

『トップガン マーヴェリック』は、トム・クルーズを一躍スターにした映画『トップガン』の36年ぶりの続編だ。誰もが名作の”焼き直し”を懸念したが、その内容は良い意味で予想を裏切ることになる。
北米では「パラマウント・ピクチャーズ」が2022年7月に、それまで全米興行収益首位だった『タイタニック』を超え、歴代1位になったことを発表した。
米国の映画批評家サイトRotten Tomatoesにおいては、97% の批評家が高評価と絶賛。前作を上回る社会現象を巻き起こしたのだ。

ストーリーは主人公のピート・“マーヴェリック”・ミッチェル海軍大佐が現場で一悶着起こし、クビ寸前のところで、自身も所属していたエリートパイロット育成機関トップガンに返り咲くことから始まる。
その任務は、トップガンを卒業した若き精鋭パイロット達に、特殊対地攻撃作戦の訓練を施す教官になることだった。
そこにはなんとかつての相棒で、訓練中の事故により亡くなったニック・“グース”・ブラッドショー海軍中尉の息子、ブラッドリー・“ルースター”・ブラッドショー海軍大尉がいた。

前作の時は、海軍パイロットであることがエリート中のエリートとして誇らしげに描かれていた。
しかし、時代は変わった。AIパイロットによって操縦される無人戦闘機が開発されているご時世。いくら凄腕のパイロットだとしても、お蔵入り寸前呼ばわりされるのだ。
それでもマーヴェリックは、空を飛ぶことに固執していた。しかも、息子同然の若きルースターを導く役割も担う。状況だけみれば、リタイア寸前の現役職人上司が、息子と同い年の部下をしごくという構図が浮き立つ。ともすれば、現役を去らない頑固者で、老いぼれ感漂うシーンがあってもよさそうなものだ。
しかし、トム・クルーズは違った。
変わらぬ肉体美を見せつつ、「俺の背中を見て育て」と言わんばかりに先頭にたって戦闘機を唸らせる。
その姿に前作のファンは感涙したし、今作を初めて見た若い観客は、アクションだけではない熟成されたトム・クルーズの演技に拍手を送ったのだ。
トム・クルーズに「中年=ミドルエイジ」という言葉は当てはまらない。ハリウッドがそうさせていることも否めないが、トム・クルーズ自身が現役すぎる。
映画界での立ち位置もそうだ。『トップガン マーヴェリック』で演じたごとく、確実に若手の見本になろうとする姿が見て取れる。

ところで、マーヴェリックは、いつまで空を飛び続けるのか。そのうち、AI機との対戦という近未来が待っているかもしれない。