ごはんを通して舞妓さんたちの日常を描くマンガ
京都のある花街に舞妓さんたちが共同生活を送っている屋形「市」に、青森から上京してきたキヨさんとすーちゃん(すみれ)が成長していく物語。
キヨちゃんが主人公のグルメマンガのように見えますが、すーちゃんが舞妓を目指して成長していく姿にも注目。
念願の舞妓デビュー後も真面目な性格なので上手くなりたいと無理をしたり苦労したりする事も多く、悩んでいる時にキヨちゃんのまかないによって心が救われる事があったり、舞妓を目指していたのにまかないさんになったキヨちゃんをさり気なく気遣ったり、お互いが言葉を交わさなくても支えあっている姿が丁寧に描かれています。
また、屋形の先輩後輩の舞妓さん達にも悩みや苦労などそれぞれの物語があり、キヨさんのまかないをみんなと一緒に食べて他愛ない会話をする事が気持ちをリラックスしたり、次に進む活力になっていきます。
幼馴染のキヨさんとすーちゃんが物語の中心ですが、もうひとり健太という男の子の幼馴染がいます。すーちゃんに密かに思いを寄せいる子で、プロを目指して野球をしていましたが高校でケガをして断念してしまいました。卒業後、京都の洋食屋で働くことになり、キヨちゃんとすーちゃん、健太の幼馴染3人の関係がどう変わっていくのかも気になるところ。
最近では市のおかあさんと百子さん(すーちゃんの芸姉妹の義理の姉)との過去篇にあたるストーリで、2人が同期であった事や、百子さんは先代の市のおかあさんの娘だった事も判明。2人の歩んできたストーリが過去と現在を織り交ぜながら描かれており、キヨちゃんとすーちゃんの関係性に似た部分もあるように感じます。
最初はキヨちゃんとすーちゃんの成長が中心でしたが、話が進みにつれ周りの人たちの物語も描かれているので、今後どうなっていくのか楽しみです。
アニメ化やドラマ化もしており、グルメだけでなく人間模様も丁寧に描かれているので、日常系で読みやすいオススメのマンガです。