漫画「鋼の錬金術師」で笑って泣いて熱くなろう!
漫画「鋼の錬金術師」は荒川弘によって描かれた漫画である。略して「ハガレン」と呼ばれることが多い。舞台は錬金術が存在する架空の世界。主人公はエドワード・エルリックという国家錬金術師の少年である。物語は、エドワードと弟のアルフォンスが国中を旅をしながら各地で起こるトラブルを解決するという形で始まるが、そこに至るまでの経緯が幼い兄弟にはあまりに厳しく残酷である。2人は母親を亡くした悲しみから禁忌とされている人体錬成に手を出してしまうのだ。人体錬成は失敗し、エドワードは右腕と左足を、アルフォンスは身体をすべて失ってしまう。失った身体を取り戻すために2人は旅をしていくのだが、旅の中で2人は様々な経験をしていくこととなる。
多くの人に出会い、悲しく辛い別れを経験し、煮えたぎるほどの怒りにかられることもある。読者は、まるでエドワードになったかのように、彼の気持ちに共感できるだろう。一緒になって笑ったり怒ったり悔しがったりするだろう。ほかの登場人物にも、それぞれ悲しく辛い過去がある。作中には過去の内戦も描かれていて、戦争の悲しさや虚しさ、人の命の価値についても考えさせられるのだ。命というものに正面から向き合っている作品だと感じる。
この作品は、その人気の高さからゲーム、アニメ、実写映画化されているが、やはり原作である漫画は必読である。全27巻と短くはない作品だが、1巻から最終巻まで絵のタッチがほとんど変わらず描き続けられていることもストレスなく読める一因となるだろう。