『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の長期連載の必然性
『こちら葛飾区亀有公園前派出所』は、『週刊少年ジャンプ』に長期にわたって連載されていた両津勘吉が主人公の漫画です。1話で終わるタイプの漫画の内容で、1話ごとに必ずオチがあります。その中でも、オチに利用されやすいのが大原部長。両津を懲らしめるため、時にはナイトに武装し、時にはロケットランチャーを持って両津に激怒します。
両津勘吉は自堕落な中年男性で、金に汚く無精ひげを生やしています。金儲けのために、時には酒を密造し、時にはゴキブリを飼育し、破天荒な方法でこズルかしく派出所のメンバーを巻き込んでいきます。しかし、たまには、心がほろっとなる話もあり、どこか憎めなく、万人に愛されるキャラクターとなっているのです。
主人公である両津勘吉を取り巻くメンバーも個性的。昭和の代表のような大原部長をはじめ、ルッキズムで大金持ちの中川と麗子の2人、平凡中の平凡である寺井洋一、草食系若者の代表であり、バイクに乗ると凶変する本田隼人など、様々な人物が両津勘吉に関わってきます。
そして、この漫画の凄いところは、時代を先取りするところ。電気自動車の可能性や、コンピューターについて予測するかのような描写登場する作品の節目である100巻の回など、読者を飽きさせません。