マンガの世界の三大宗教への挑戦(イスラム教除く)
神の子、イエス・キリストと目覚めた人、ブッダ。キリスト教と仏教において欠かせない2大聖人が共にバカンスを!しかも東京の安アパートで共同生活をしている、という西洋ではタブーともされそうな設定を「ギャグ漫画」というジャンルで描く作者の中村光のセンスが凄過ぎる作品である。
多くの人が知っている奇跡や逸話を実は水が嫌いなイエスとか、セレブ育ちのブッダはちょっとやそっとの金持ちには驚かない、などとクリスチャンや仏教徒の人が読んだらトンデモナイ現代的な突っ込みを自虐的に語ったり、弟子に突っ込まれたり。しかし、それは全く脚色をせずに聖書のままに聖典のまま、オリジナルがもうマンガ的で面白がっている作者のセンスには脱帽ものです。聖書を読んでいると確かに神様の気まぐれぶりに若干、引いてしまうことが度々あります。逆に悪魔たちが健気に見えたりするのは日本人的感覚かな、と思わせます。オリジナルを知れば知るほど作者のお笑いセンスに驚きを隠せませんが、聖書や聖典、他の宗教など知らなくても十分に笑えますし、何よりも不快な感じが無く、くだらなくもおもしろい!と思わせる作品です。世界のタブーをギャグ漫画というジャンルで軽やかに破りながらも決して、触れてはいけないイスラム教の事は一切出さない作者のセンスに尊敬の念を抱かずにはいらせません。