ぼくの地球を守って / ぼく地球 / Please Save My Earth

ぼくの地球を守って / ぼく地球 / Please Save My Earth

『ぼくの地球を守って』とは日渡早紀により制作され、1986年から「花とゆめ」に連載された漫画作品である。コミックス全21巻、文庫版全12巻、愛蔵版全10巻が発刊された。1993年にはOVAが制作され全6巻となっている。物語は「輪廻転生」が大きな鍵となっている。前世で特殊な任務についていた男女7人が任務中に伝染病にかかり全員が命を落としてしまう。現世に転生したその7人が徐々に前世の記憶を思い出し、過去の自分と現代の自分との間で揺れ動き、それぞれの孤独や苦悩を解決していくSF漫画。

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ぼくの地球を守って / ぼく地球 / Please Save My Earth
10

少女漫画と侮るなかれ

日渡早紀の代表作の1つである少女漫画。
描かれた年代的に作風は古いけれど、とても美しい絵タッチで、令和の時代に読んでも圧倒的なスケール感の内容に驚かされます。
内容はSFミステリー恋愛ものと、紹介者は認識しています。

主人公の女の子はある日、同級生の男子2人が怪しい淫靡な雰囲気で話している所を目撃するところから始まります。もしやと彼らの仲を勘違いするが、実は彼らは共通の夢を見ており、それを見た次の日は必ず夢の辻褄合わせをしていたのでした。夢の中身は「月の施設で仲間たちと地球を眺めて日々を過ごす」というもの。「共通の夢」から始まった3人の交流は、必然的に主人公にも影響を及ぼし始めるのでした。

最初の方は少女漫画的な恋愛要素は低く、主人公やそれに連なる脇役キャラの背景や苦悩が綿密に描写されています。またミステリー要素が強い話の為、巻を進めるごとに謎が解き明かされていくのは鳥肌もの。
また後半になると少しずつ強くなる恋愛描写も人間ドラマ的で、キャピキャピ感はほぼゼロです。

『花とゆめ』に連載されていた特性柄、なかなかに重い人間描写がありますが、最後にはちゃんとハッピーエンドで終わります。
男性にも読んでほしいおススメの漫画です。

ちなみに筆者は、先が気になって止まれなかった程のボリューム感でしたので1日かけて一気読み致しました。文庫本で全12巻あり、普通の本屋ではかなり入手困難。ブックオフや本屋さんによると、根強い人気であったら即完売するそう。
アマゾンか大きな書店で取り寄せ、または電子本で手に入ります。

時代が変わっても名作でありつづける漫画の1つだと思います。