ルームロンダリング

ルームロンダリング

『ルームロンダリング』とは、2018年7月7日に公開された映画。監督・脚本は片桐健滋、演は池田エライザ。主要キャストに渋川清彦、伊藤健太郎、光宗薫、オダギリジョーなど。本作は映像企画発掘コンペ「TSUTAYA CREATORS‘ PROGRAM FILM2015」で準グランプリのFilmarks賞を受賞した片桐健滋による初の長編監督作品となっており、第21回上海国際映画祭、カナダ・モントリオールで開催された第22回ファンタジア国際映画祭にて上映された。
天涯孤独となった八雲御子の前に突然叔父である雷土悟郎が現れ、彼女に住む場所と仕事を与える。しかしその仕事とは、事故物件に住んで事故の履歴を帳消しにする「ルームロンダリング」だった。

keitoma1253のレビュー・評価・感想

ルームロンダリング
8

笑えて切ないホラーなコメディー

池田エライザ、オダギリジョー主演のホラーコメディー。
事故物件に数ヶ月住まわせることによって、その物件は事故物件ではなくなる。
池田エライザ演じる御子(みこ)は、叔父が不動産屋から依頼される事故物件に住むという仕事をしている。
御子には幼い頃から、この世のものではない者が見える。依頼された物件で何か見たり聞いたりしても一切関わらない、また近所の人とも関わらないというルールで仕事をしていたのだが、あるアパートに住む事になり、そのルールが通用しなくなってしまったのだった。
あらすじだけを聞くとなんだがおどろおどろしい雰囲気の映画と思われるが、出てくる元住人がやたらと魅力的かつユーモアに描かれている。
どの元住人も自殺や他殺と不幸な亡くなり方をしているのだが、コミカルに描かれていてつい笑ってしまう。
そんなコミカルな元住人達だが、思いを残したままこの世を去った悲しみには思わず涙してしまう。
御子を父親代わりに支える母方の叔父を演じたオダギリジョーの、優しく見守る表情が素敵である。
ラストはなんとなく想像のつく範囲ではあるがホラーコメディーでありながら、1人の少女が死者と関わる事で己の心の殻を破り成長していく姿は感動ものである。