叙述トリックが鍵のシックス・センス
『シックス・センス』は、M・ナイト・シャマラン監督の出世作となったサスペンスホラー映画だ。
ある夜、小児精神科医マルコム(ブルース・ウィルス)の自宅を、10年前に担当した患者ビンセントが襲撃した。ビンセントはマルコムを銃撃した後、自殺する。
それから1年後。マルコムは、妻のアンナに無視される日々を送っていた。そんな中、彼は、少年コール・シアー(ハーレイ・ジョエル・オスメント)に出会う。少年には第6感があり、その能力のためにいじめられたり、恐怖に苛まされたりしていた。マルコムはコールを治療しながら、自分自身も癒していく。
コールは自分の特殊能力を克服し、そのことを母親に告げる。
コールの助言でマルコムは、妻にそっと話しかける。妻の漏らした寝言を聞き、マルコムは自分自身が霊だと知る。
映画には、3点の視点が描かれている。まずは、通常の人の視点。これは、コールのお母さんや学校の先生などを通して描かれている。霊の姿は見えないが、何か不可思議なことが起こっている、という視点。
2点目はコールの視点だ。通常の風景に加え、死者も映し出される。
最後に、マルコムの視点だ。通常の風景に加え、「死者は、自分が見たいものだけが見える」というルールに基づき、マルコムの見たいものだけが見える。そのため、お腹の銃弾の痕が見えない。