間違いない作品
言わずと知れたバスケット漫画の金字塔。通称「スラダン」。
この漫画を一言で表すならば「心地よい疾走感」。後半に向けての熱量もすばらしくこれぞ少年漫画といった印象を受ける。
登場人物はそれほど多くはないが、それぞれのキャラが活きており、読者を惹きつける。
正直なところ序盤はギャグ要素多めでストーリーもテンポも悪いのだが、チームのレギュラーメンバーが揃ってからは一気にギアが上がる。
そのまま中だるみ無くラストまで駆け抜けるのだから、序盤など関係なく好印象が残るわけである。
絵もとてもきれいで、キャラがどう動いているのかが分かりやすい。
そのせいかバスケ経験が無くても、読みながら体がついつい動いてしまう。体で覚えたものは簡単には薄れることはないのであろう。
強烈に、強引に、それぞれのシーンを記憶に焼き付けてくる。
終わり方についても賛否両論あるが概ね好感である。単行本にして31巻。展開された内容は1年にも満たない。
ラストの試合が熱すぎてもうこれ以上はないと感じるからだ。そういった潔い綴じ方もまた疾走感を増幅させる。
この漫画を読んでバスケを始めた、部活を決めた、という人も多いのではないだろうか。青春期であれ、人生を動かせる作品はそれほど多くはない。
「お勧めする漫画は?」という質問でも常連だろう。ストーリー云々よりも「疾走感」と「熱量」がアドレナリンを増幅させるこの作品を読まない手はない。
間違いない作品である。