みんな知っている「ドレミの歌」はこの映画から始まった
舞台は1930年代のオーストリア、ザルツブルク。ヒトラー率いるナチスの影響下で暮らすトラップ家。父親のゲオルグはオーストリアの元軍人でお金持ちだ。数年前に妻を亡くしたショックが原因で家の中で楽しいことをしたり、妻との思い出でもあるみんなで歌を歌ったりすることを禁止し、子供達を笛で操ってまるで軍隊のように育てていた。
そこへ子供達の家庭教師として送り込まれたのは、修道女見習いのマリア。厳格で規律を重んじるゲオルグと、自由奔放で歌うことが好きなマリアは対照的で、初めはかなり対立する。子供達も初めはマリアをバカにしてイタズラを仕込んだりしたのだが、マリアはそれを叱ったりせず、むしろ「素敵な歓迎」と笑顔を見せた。
そんなマリアの人柄に子供達も徐々に惹かれていき、一緒に散歩をして歌を歌い、時間を共にすることで信頼関係を築いていく。
その時歌われたのが有名な「私のお気に入り」と「ドレミの歌」。両方とも印象的なシーンで使われている。「私のお気に入り」は、雷が怖くてマリアの部屋に集まってきた子供達を励まそうと歌った歌。「ドレミの歌」はマリアが部屋のカーテンを勝手に使い、子供達にお揃いの服を作ってピクニックに出かけるとういう大胆なシーンだ。
お揃いの服をもらった子供達は大喜び。オーストリアの雄大な自然や美しい街並みをバックにこの歌が歌われる。それ以外にも映画内で使用された歌は耳馴染みのものが多いと思う。
『サウンド・オブ・ミュージック』が大人から子供まで広くに愛されているのは、この耳馴染みがあり明るい楽曲と、世界情勢に翻弄されながらも生きるトラップ家の人間とマリアとの関係に観るもの皆が魅了されているからである。