「原石」が「音色」を纏い、光る必然。
2020年1月22日にCDデビューを果たした「SixTONES」。
Jr時代から歌唱力に定評のあるグループで、デビュー以降発表された楽曲たちはジャニーズの既定路線を超えて、幅広いジャンルのリスナーに支持されている。
デビュー曲である「Imitation Rain」はX JapanのYOSHIKIの作詞作曲で、ともすればジャニーズグループのデビュー曲としては相応しくなかった曲かもしれない。しかし先輩であるKinKi Kidsのデビュー曲「硝子の少年」は「今後彼らがいくつになっても歌える曲」をコンセプトに作られたとされているのだ。その後彼らが音楽シーンで様々な大物ミュージシャン達から楽曲提供や指導を受け、現在の地位に登り詰めていることを念頭に置くと、SixTONESにとってもこのデビュー曲は音楽を中心に活動していくという彼らの所信表明として大変相応しいものだったと言えるだろう。
今現在の世界の音楽はBTSに代表されるダンスグループが席巻し、ジャニーズグループで言えば、同日デビューの「Snow Man」の9人のダンスの魅力がやはり世間的にも広く周知されている。
SixTONESはお世辞にもダンスが上手いグループとは言えない。メンバーの中には自ら「ダンスは嫌い、苦手だ」と公言している者もいる。確かにSnow Manのように全員での一糸乱れぬダンスパフォーマンスは難しいかもしれないが、その分彼らのライブはダンスの出来の良さを凌駕した色気とパワフルさ、滲み出る個性の強さに満ち溢れている。
彼らの強みである歌唱力を余す所なく披露するには、むしろ難易度の高いダンスは不要だとも言える。
もし、彼らが世界に打って出ようとするのなら、ジャニーズ初のサブスク解禁は必須条件である。既に彼らは「ジャニーズをデジタルに放つ新世代」をキャッチコピーに、『YouTube アーティストプロモ』キャンペーンに抜擢された実績もあり、デジタル業界との相性も良い。この偉業が叶うならば、世界の音楽シーンの流行を覆す波を起こせるかもしれない。SixTONESはそれだけの可能性を秘めたグループである。