侍×人情×ギャグ×SF=悪ガキどもの祭り
何かにつけてだらしない、およそ「ヒーロー」という名にはほど遠い主人公、坂田銀時。けれどもひとたび関われば、誰しも彼の中に今は無き「侍」の熱い血を感じずにはいられない。
物語の舞台である江戸、銀さん率いる「万事屋」のテリトリーであるかぶき町、そして第1話の展開、(少々お下品な)怒涛のギャグ、全てがカオスな漫画です。
しかしシリアスパートでは打って変わって、登場人物1人1人の重い過去が明らかになります。そして、笑いと涙のギャップにまんまとやられたあなたは、いつのまにやら立派なかぶき町の住人になっているはずです。
また、長期連載ですので、物語の終盤には登場人物の成長ぶりに胸を熱くすることも多々あります。
例えば「万事屋」のメンバーである新八や神楽。彼らは銀さんとともに様々な出会いと別れ、戦いを経験するうちに、護られていたはずの銀さんを護れるほどの目ざましい成長ぶりを見せてくれます。
他にも物語において大きな柱となる組織「真選組」、銀さんの過去を語る際には必要不可欠な存在である「攘夷志士」の面々。彼らもまた、坂田銀時という男の持つ力に引きずられ、自分の進むべき道を必死に模索します。
さて、それほどまでに人を魅了してやまない銀さんの頭の中には、決して消えない2つのものがあります。今でも夢に見るほどの恐ろしい光景と、孤独な自分に微笑みかける柔らかな笑顔。それが果たして何なのか、ぜひご自分の目で確かめて下さい。