イジメという問題に向き合うことのできる作品
こちらのアニメ作品は主人公の石田将也という少年が、小学生の頃にしてしまった過去の過ちを、高校生になった現在の自分と向き合いながら乗り越えようとしていくストーリーだ。
小学生の頃はクラスで影響力を持っていた主人公。ある日耳の聞こえない転校生の少女がやってくるのだが、主人公を含めてクラスのみんなもまだ幼く、上手く受け入れて接する事ができないのだ。
何とか周りに溶け込もうとする転校生だったが、いつしか孤立しイジメられるようになっていく。その中心となっていたのが主人公であった。
しかしそのことが主人公自身を孤立させ、人と接することが苦しい毎日を送るようになる。この描き方は厳しくも大切な真実を伝えようとしているのではないだろうか。
人が人を傷つけてしまうことも、傷つけられることも世の中には当たり前のように溢れているが、「傷つけた経験」「傷つけられた経験」この両方ともを持っている人は多くはないからだ。
対極を知らないと分からないことや見えないことばかりの世の中で、イジメという問題もその1つなのだ。
この作品はその対極を苦しいまでに現実的なものとして映し出しているのだ。人との向き合い方、自分との向き合い方、人生で大切なものは何か、失くしてはいけないものは何か、そんな色々な事を考えさせられる素晴らしい作品である。