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異世界転生の走り
主人公が依存していたゲームが終了してしまう、というところから話は始まる。
一緒にプレイしていた仲間たちもいなくなり、ひとりぼっちで終了を迎える主人公。
だが、ゲームは終わらない。ゲームの世界に転移してしまった!というのはよくある話なのだが、それが人ではない異形たちの組織のトップとしてなのである。
中身は凡人。外面は魔王のできあがりである。
更にはNPC達まで意志を持ち、創造主として大崇拝してくれる。
主人公が絶対的で全てを兼ね備えた存在と信じて疑わないのである。
中身は凡人。平社員なのに!
そのギャップがたまらなく面白いのだ。
NPCは設定のせいで、優秀で個性的なメンバーが揃っており、それが更に主人公を悩ませる。
そして人間たちとは対極の立場にいるので、客観的に悪の要素が強く、残虐な行為なども行う。
ちなみに主人公の組織は人間と比べて、強力無比なので、主人公の気苦労を除けば、実際にえらいめに合うのは人間の方である。
ストーリーも主人公のギャップが面白いだけではなく、ゲーム設定要素満載で、しっかりと練られており、RPG好きならより楽しめるだろう。
小説の挿絵も非常に雰囲気がある綺麗なもので、異世界という世界観に入りやすい。