ドラマ化もされたBLマンガの名作
広告代理店に勤務している桜井は、ワーカホリック気味のサラリーマン。もう中年であるとはいえ、もてないわけではないのに恋愛関係には身が入らず、マンションと会社を往復する日々を送っています。そんな桜井が、ささいなアクシデントから、水川蓉一という大学生に出会います。
水川は、大学生なのにもかかわらず、古い民家で下宿を営んでいました。水川は無愛想で可愛げのない態度でしたが、桜井は会社に行くにも便利な場所にある、その水川の家に度々訪れるようになります。
桜井はコミュニケーションが取りづらい水川を苦手と思いながらも、彼に少しずつ惹かれるようになり、他人にほとんど興味を示さない水川も桜井にはあからさまに興味を示します。
「これは恋なのか、何なのか」とぎくしゃくしながら近づいていく、桜井と水川のもどかしい関係。そして対人関係が上手く処理できない水川が、周囲の人に対して柔らかく対処できるようになっていくところも、読みどころです。画もとてもきれいです。
水川蓉一だけではなく、彼の下宿に住む仲間たちの家庭環境にも複雑な事情があり、それもまた物語に深みを添えています。
ワーカホリックな、ゲイというわけでもないリーマンと、大学生が出会って恋をする。あり得ないような舞台設定でありながら、とても説得力があるストーリーで、満足すること間違いなしのおすすめです。