人の心の本当の痛みが分からなければ、こんなにも素晴らしい音楽は作れない。
槇原敬之の音楽は、老若男女問わず万人に愛されやすい。代表曲『どんなときも。』やSMAPへの提供曲『世界に一つだけの花』など、誰もが1度は口ずさんだ歌であろう。
覚せい剤所持などによる2度の逮捕でファンを失望させてしまった槇原敬之だが、その一方で「嫌いにはなれない。それでもマッキーの曲が大好き」というファンが多くいることも事実だ。
彼が作る音楽は基本的にどれも耳に心地よいメロディーや、心が洗われるような歌詞が特徴的である。それもそのはず、彼は根っから優しさで溢れた人間性なのだ。
過去のラジオやYouTubeでの収録を聞いても、誰かの死などに関して(人間だけでなく犬などの動物にも)深い悲しみを率直に伝えている。またそこでは度々、彼の弱さも感じ取ることができる。
2度目の逮捕から復帰した2021年、新しいアルバム『宜候』を出した槇原敬之には、たくさんのファンから声援が送られた。その中には「コロナ禍で人生を狂わされた」と感じていた人も少なくないはずだ。彼らにとって槇原敬之の復帰はまさに、心の中に希望の光をもたらす出来事だったに違いない。
3度目の過ちを決してしないよう、今後はより多くの人に素晴らしい音楽を届けることに専念して欲しいと願うばかりである。