ダークファンタジーだけど暗すぎない
『鋼の錬金術師』は自信をもっておすすめできるコミックスです。
母親を蘇らせようとしましたが失敗し、代償として失われた身体を取り戻す物語です。本作品は「ダークファンタジー」として分類されるようですが、暗すぎず、でも読み応えのある作品に感じます。
まず「豊富で魅力的な登場人物」が目を引きます。『鋼の錬金術師』は登場人物が非常に多いのですが、それぞれが個性的です。
凄惨な過去を引きずっていたり、ストーリーの途中で亡くなってしまったり、はたまた信じていたのに実は敵だったキャラもいたりします。しかし、それぞれの生きざまのようなものを感じられ、読むものを飽きさせません。悪者が倒されていくというシナリオは少年漫画によくある展開ですが、味方キャラが死んでしまう描写もあります。そのような容赦のない描写がキャラクターの魅力と儚さを際立たせていると思います。
さらに気になるのが「錬金術というシステム」です。『鋼の錬金術師』の世界における錬金術とは、すでにある物質を変化させる技術です。例えば、義手を武器に変化させたり、空気中の酸素濃度を調整して発火させたりと用途を様々です。その錬金術がバトルや日常に取り入れられており、ほかの漫画ではなかなか見られない設定だと感じます。
また「国家錬金術師」という国に認められた錬金術師がいるのですが、それぞれが得意とする錬金術が異なるため、キャラによって闘い方が違うところも読んでいて楽しい点です。
『鋼の錬金術師』は漫画好きにはハマる作品になっていると思います。ぜひ読んでみてください。