にいちゃん

mahya_o2のレビュー・評価・感想

にいちゃん
10

普通とは何か。多様性とは何か。『にいちゃん(著:はらだ)』

幼い頃、近所のにいちゃんに手を出され、現場を母親に見られてしまったゆい。それを境に、いつも遊び相手になってくれていたにいちゃんは姿を消し、親からは過保護なまでの監視を受けるようになってしまった。
あれから時が経ち、にいちゃんを忘れられないゆいはある日もあてもなく街を徘徊し、そしてついに再会の日がくる――。しかし、久しぶりに会ったにいちゃんは、昔のような優しいにいちゃんではなくなっていて……。 ふつうってなに まともってなに これはいけないこと…?BL界の鬼才・はらだが描く衝撃の禁断愛、ついに解禁ーー。

最初にお伝えしますが、読む人を選ぶ作品だと思います。この作品には「同性愛」や、「小児愛」などの表現が含まれており、
「リバ」表現も含まれるので苦手な方は読まない方がいいです。すべて物語の主軸要素となっています。
ですが、それ故に「普通って何?」「どうして普通じゃなきゃいけないの?」と考えさせられる作品です。読み終わった後は気持ちがズンと重たくなる作品であることは間違いありません。

「未成年へ性的行為を行ったとして逮捕」「小学生の男児に性的暴行を加えたとして逮捕」という文字をニュースで見かけますよね。
この作品を読んでから、このようなニュースを見るたびに複雑な気持ちになります。それだけ読者の心に残り続けるストーリーだと思います。

ネタバレはしたくありません。漫画自体も1巻で完結するので読みやすいと思います。暗いストーリーを読みたい気分になった際や、いつもとはちょっと違う作品を読んでみようと思った際は、『にいちゃん(著:はらだ)』をどうぞ。