100年後もきっと面白い映画
『パラサイト 半地下の家族』は2020年アカデミー賞作品賞を獲得した韓国の傑作映画です。半地下で暮らす家族が裕福な家庭に侵食して行き、やがて一家にパラサイトする様子は見ていて痛快であり、後半の意外な展開、ラストのどんでん返しなど、見どころがたっぷり。
若者の就職難という社会問題も取り入れつつ、人間の格差という普遍的なテーマを扱っている作品でもあります。
格差が生まれない社会などないこと、同じ空間にいてもヒシヒシと格差を感じることなどが描かれています。下が上に成り変われる訳ではない。下にいる者は「どうして同じ人間なのに」と不満を感じると思います。しかし同じ人間なだけで生まれながらに格差は存在する。見ないようにしていてもどうしようもない格差を感じた時、人はどうするのか。利用するのか見ないように縁を切るのか。登場人物達はそれを利用しようとしますが、「下」にはさらに「下」がいるのです。
利用しようとした瞬間から同じように自分達も利用される可能性があると気がつかない主人公。同じ土俵に上がるにはズルなど考えず地道にやるしかないと言われている気がしました。韓国で制作された映画ですがどの時代どの国の人が観てもきっと面白い。100年後に観ても面白いと思います。