薬屋のひとりごと

薬屋のひとりごと

『薬屋のひとりごと』とは、日向夏による日本のライトノベルである。2011年10月27日から小説投稿サイト「小説家になろう」で連載が開始された。2017年からは漫画化、2023年からはアニメ化されている。ライトノベルのキャラクター原案は、しのとうこである。漫画版は、『月刊ビッグガンガン』と『月刊サンデーGX』で連載されている。『月刊ビッグガンガン』版は、ねこクラゲが作画を担当しており、2024年3月時点でスクウェア・エニックス版のコミックス累計部数は1600万部を超えた。また、『月刊サンデーGX』版は、『薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜』というタイトルで、倉田三ノ路が作画を担当し、2023年6月時点で小学館版のコミックス累計部数は850万部を突破している。
あらすじは、架空の中華風帝国、茘(リー)を舞台に、後宮に勤める少女猫猫(マオマオ)が王宮内に巻き起こる事件の謎を薬学の専門知識で解くミステリー、ファンタジー、ラブコメディ小説である。テレビアニメ版の評価も高く、「読者が選ぶアニメキャラ大賞2023」において、猫猫が「新人賞」で6位を獲得している。また、「TVerアワード2023」では特別賞を獲得した。

r-yy-127s1のレビュー・評価・感想

薬屋のひとりごと
8

ラノベとアニメの融合、昇華が素晴らしい。

私はこの作品の原作を見ておらず、いわゆる「アニメから入った勢」なのですが、視聴後の感想としては満足度は高めです。
原作を見てみるといわゆる「ラノベ」のジャンルに属するということですが、「ライトノベル」と言われるジャンルに偏見がある方にこそ是非見て頂きたい作品と感じました。

かくいう私も元々はほとんど触れたことのないジャンルで、軽薄な恋愛やギャグが薄く引き延ばされている程度の読み物、作品群なのだろうと思っていました。
しかしそのイメージは本作品のOP曲で一気に突き崩されます。迫力のあるボーカルの声とエッジの効いたギターリフ、音作りの全てに迫力がある緑黄色社会さんの曲「花になって」が力強く流れます。

もちろんこの声、音楽だけでもディスプレイを二度見するほどですが、さらに引き込まれるのはOPの美麗なアニメーションです。流れる美しい草花たちはこの作品のメインテーマである「薬」と「毒」です。
さらにその後には主人公猫猫(マオマオ)の美しい容姿や冷酷とも取れる冷たい目、官能的なスタイル、さばさばとした男勝りの一面など、このキャラクターの魅力を、ひいてはキャラクターが織りなすストーリーを見ずしても期待させてくれる造り込みです。
ED曲はアイナ・ジ・エンドさんの、強烈な”エモさ”を感じる「アイコトバ」で締めくくられており、毎回のストーリーを見終わるごとに心地の良い喪失感と次回への希望を感じるバラードとアニメーションになっています。

そもそものストーリーはさらに引き込まれていく構成となっており、薬学的な専門知識も知的好奇心を誘います。ですが現代社会にも通じる格差、人間関係のしがらみ、やきもきするような恋愛模様、嫉妬、ミステリーなど様々な要素を絡ませながら展開しており非常に面白いです。
私が特に引き込まれたのは各キャラクターのコミカルな一面と、各声優様の素晴らしい感情表現です。
「所詮ライトノベルだろう」という、未視聴の時の私のような偏見を持つ方にこそ特に見て頂きたい作品です。