何気ないごはんの描写に癒される作品「舞妓さんちのまかないさん」
「舞妓さんちのまかないさん」は、舞妓さんたちが暮らす京都の「屋形」という場所が主な舞台。その屋形で「まかないさん」として料理をふるまう、16歳のキヨという女の子が主人公です。キヨはもともと、幼なじみのすみれと一緒に舞妓を目指して青森から上京してきた女の子。それがいつしか屋形のまかないさんになり、舞妓さんたちの毎日のごはんを支えています。
この作品は、何かものすごく大きなイベントが日々起こったりするわけではなく、毎日の何気ないごはんのことがメインで描かれています。キヨが自分のペースでコツコツごはんを作る様子や、どこか懐かしさのある台所や調理器具は、見ているだけでほっこりします。そして何と言ってもお料理がおいしそう!レストランのシェフが作るような豪華なものではなく、毎日食べても飽きの来ない素朴さのあるお料理がとても良いんです。また作者の小山愛子さんが青森出身ということもあり、青森の郷土料理「ひっつみ」や大雪が降った時のエピソードなど、東北出身の人なら思わず「わかる!」と頷いてしまうシーンも。綺麗な舞妓さんたちも家では普通の女の子なのかも…と思わせてくれる日常の描写と、ちょっとした東北あるある、そしておいしそうなごはんにひたすら癒される作品です。