魔法少女まどか☆マギカ / まどマギ / Puella Magi Madoka Magica

魔法少女まどか☆マギカ / まどマギ / Puella Magi Madoka Magica

『魔法少女まどか☆マギカ』とは、蒼樹うめの描くポップで可愛らしいキャラクターと虚淵玄の描くハードで重いストーリー展開が特徴のダークファンタジー。願いを叶えた代償として「魔法少女」となり、人知れず人類の敵と戦うことになった少女たち。優れた魔法少女となれる可能性を持ちながらも傍観者として関わることになった中学生・鹿目まどかを中心に、少女たちの希望と絶望を描く。

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魔法少女まどか☆マギカ / まどマギ / Puella Magi Madoka Magica
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魔法少女ものを大きく変えたアニメ

「アニメオタク」は、昔は「根暗、陰湿、気持ち悪い」と散々な言われようでした。
私自身もオタクだったので、外見にまったく気を遣わずにオタク仲間と「あのシーンのこの描写が…」などとニッチな話題で盛り上がったり、同人誌を描いていたりしていました。なので「まあ、そういうものに興味のない人から見たらちょっと引かれるわな…」と今なら思います。ところが最近は芸能人でもあっけらかんとアニメ好きを公表し、「(アニメ名)の聖地巡礼して来ました!」とSNSにアップしています。なんとなく私たちの時代と熱量が違うというか、重みが感じられないような気がしないでもないですが、「時代は変わったなあ」としみじみ思うものです。

どちらかと言えば私はアニメよりマンガオタクだったので、当時からアニメはあまり観ないのですが、唯一強く強くお勧めしたいアニメは『魔法少女まどか☆マギカ』です。シャフトによる制作で、2011年1月~4月まで毎日放送で放送されていました。
とはいえ、私はリアルタイムでこのアニメを観ていません。その頃はブログが全盛期で、多くのブログ友達が『まどか』のファンアートを描いていたのですが、私はタイトルだけで「うわ、プリキュアとかそんな感じ?」と敬遠していたのです。

数年後、オタク友達に「『まどマギ』?観たことないねー」と言うと、彼女はすごい勢いで「あれは絶対観ないと後悔する!!」と強く勧められました。「あんたの思っているようなのとはぜんっぜん違うから!」とも言われ、タジタジになりながら「とりあえず第3話まで観て!」とのことなので、DVDをレンタルして家に帰りました。
そして翌日、仕事が終わると大急ぎで車を走らせレンタルショップに飛びこみ、『まどか』を全巻レンタルして家路へと急ぎました。

平凡な中学生の主人公・鹿目まどかは、ある日、キュウべえという不思議な生きものと出会います。キュウべえはまどかと、彼女の親友・美樹さやかに「どんな願いも叶えてあげる。その代わり僕と契約して『魔法少女』になってよ!」とお願いします。
まどかの世界には普通の人には見えない「魔女」と呼ばれる存在があり、魔女の口づけを受けたものは、自殺や交通事故などの衝動に駆り立てられてしまいます。その魔女と戦うのが、魔法少女の使命です。

魔女の結界に迷い込んだまどかとさやかを助けた魔法少女は、同じ学校の先輩、巴マミでした。人々を守るために戦うマミの姿を見て、憧れを抱くまどか。しかし、転校生で同じく魔法少女でもある暁美ほむらからは、「魔法少女になってはいけない」と忠告を受けます。けれどまどかは、「こんな自分でも誰かの役に立てるかもしれないって思って、胸を張って生きていけたら」と、魔法少女になる決意を固めます。ところが、ここで思いもよらぬことが起こるのです。

第1話は、「まあ王道だよね」と思いながら観ていました。主人公をはじめとした女の子は皆かわいい顔立ちをしていて、魔法少女に変身すると「そんなヒラヒラした薄手の服で戦って大丈夫!?」とツッコミを入れたくなるような、キュートな衣装で戦います。
しかし、友人が勧めた第3話で、話は大きく変わります。思わず「は!?」と声が出たくらいです。

これ以上はネタバレになってしまうので語れないのですが、今でもまどかファンが身近にいるなら、前述の私の友人のように全力で魅力を語り合いたい。オタク特有の早口で「あのシーンは感動した」「このシーンに泣いた」と感想を言いたい!タイトルだけで食わず嫌いして、リアルタイムで観なかったことを深く後悔しました。

「魔法少女もの」という、ある意味では「お約束」となっていたジャンルに新たな切り口を入れた本作品は、斬新なストーリーが展開されます。魔法少女同士が争い、味方だと思っていた存在が「実は…」だったり。
この作品の大きなテーマは、「主人公の成長」でしょう。まどかはたくさんの涙を流しながらも、最後に大きな決断を下します。これをハッピーエンドととらえるか、また別のものととらえるかは視聴者によって違うでしょう。私としては、感動的なエンドだったと思いましたが。

『魔法少女まどか☆マギカ』は2013年に映画化され、2021年に放送から10周年を記念し、前作映画の正統続編となる『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉』の製作が決定されました。まさか映画化から9年も経って続編とは驚きです!

「この歳になってジブリや新海誠、細田守の作品ではないアニメ映画を映画館で観に行くのは恥ずかしいぞー」と思いつつも、公開されたら絶対観に行くでしょう。
日本のアニメは世界でも評価が高く、「MANGA」は世界共通語とさえなっています。
近年のアニメは学園ものからファンタジーまで様々なジャンルがあり、いわゆる「〇〇もの」という流行がないようにも見受けられます。
理由としてはアニメを観る層が広がったこと(昔のアニメは子どもが観るものだったが、大人の視聴に耐えられるアニメが増えた)。そして動画視聴サービスの拡大で、テレビ以外のコンテンツでアニメを制作することが可能になったからだと考えられます。

劇場版から9年以上経過してからの再制作。流行り廃りの激しい現代で、まどかたちは私たち視聴者にどういった感情を与えるのか。楽しみでなりません。
友人は「第3話まで観てみて!」と言っていましたが、私はあえて「まどかが魔法少女になるまで観て!」と勧めます。ファンの方、いまニヤリとしましたね?