期待をはるかに超える良作アニメ
『電光超人グリッドマン』で構築されたハードルを余裕で超える作品。怪獣が現れるという非現実的で、ありきたりな設定にも関わらず、最後まで飽きずに楽しめる作品だった。特に主人公とヒロインの関係性が繊細に表現され、視聴者が感情移入しやすい構成だったと思う。
ロボット怪獣アニメという壮大な設定の中にラブコメ、加えて人間ドラマとして成り立たせるのは正直他のアニメでは表現出来なかっただろう。少なくとも私はそういった作品に出会ったことは無い。
また、戦闘シーンも圧巻であった。こういったアニメではワンパターン化されてしまい、視聴者に飽きられやすいのだが、このアニメでは上手く緩急をつけていた。特に最終話の戦闘シーンには食事中の箸を止めてしまうほどの迫力であった。
このアニメは第三者視点で物語が進む。この構成にすることによって、登場キャラクター一人一人に感情移入できた。序盤中盤終盤隙なく楽しむことができる最高のアニメだった。唯一無二である。主人公サイドと敵サイドの描き方も素晴らしかった。無論嫌いなキャラはいない。
戦闘シーンでOPが流れる瞬間は生姜をすれるくらい鳥肌が立った。曲はあのオーイシマサヨシが手掛けている。
また声優陣の演技も素晴らしかった。この作品はリアリティのある演出がされており、多くのキャラクターが感情的でない分、声優はいい意味で感情が篭もっていなかった。この演技があったからこそ没入感もあり、特有の世界観に入り込むことが出来た。間の使い方、状況にあった口調の使い分け、全てにおいて完璧だった。またストーリーが進むにつれてキャラクターの成長も上手く伝わっていたと思う。それによって関係性の変化や心境の変化も大変分かりやすかった。