未来のミライ / Mirai

未来のミライ / Mirai

『未来のミライ』とは、スタジオ地図製作により2018年7月に公開された長編アニメーション映画である。監督は「時をかける少女」や「サマーウォーズ」を制作した細田守。
横浜の片隅で両親と暮らす「くんちゃん」は、「お兄ちゃん」になったばかり。妹が生まれてから両親は自分の要求を叶えてくれなくなり、ついにくんちゃんは「赤ちゃん返り」をしてしまう。「赤ちゃん好きくない!」を連発して駄々をこねるくんちゃんは、家の中庭から不思議な時間旅行をすることになる。そこで出会ったのは未来の妹だった。

tasaking1985のレビュー・評価・感想

未来のミライ / Mirai
10

星野源さんのお父さんが最高でした!

数年おきにやってくる、細田監督の素敵な夏休みプレゼント(笑)として、夏に楽しませていただいたのが、この『未来のミライ』でした。

前評判も上々で、小出しにされる情報と断片的な映像だけでも『凄い!』と思わせてくれるものばかりでしたが。
全編通して観ると、なんとも言えない温かい気持ちと、くすっと笑ってしまう優しいテイスト、そして個性豊かなクンちゃん一家(おとうさんとおかあさん、ミライちゃん、ワンコのゆっこ)らの日々と、なぜか時空を超えてさまざまなものを見聞きするクンちゃんの旅が見事に融合して素敵な物語になっています。

そんな中で素敵だな、と思ったのは、クンちゃんのおうち。
丘陵地にある不思議なデザインのお家ですが、それは、在宅で設計の仕事をしているつこおとうさんの作品でもあり、子供たちを豊かな気持ちで育てられるように、という気持ちを込めて建てられたのだろうな、と思わせてくれる素敵なおうちです。

そこに暮らすクンちゃんの日々は、羨ましいほどの愛に包まれています。
でも、小さいクンちゃんは妹のミライちゃんに家の中心の座を追われ、ちょっと傷心だったり、複雑だったり。
そんな彼が成長していく姿は眩しくもあり、いとおしくもあり。

細田監督やスタッフの皆さんが、身近にいる我が子たちをつぶさに研究して描いていったというだけのことはあって、素敵にリアルで、しかし夢のある物語でした。