真の運命の子供
BASARAが好きだというと、「戦国BASARA?」と間違われる事も多いと思いますが、田村由美先生のBASARAは、少女漫画の枠に入る、恋愛模様や家族愛の要素もある架空戦の物語です。
主人公の少女が15歳を迎える日、国を救う運命の子供と予言されていた双子の兄と、父親を、国王の末子の軍に殺され、その宿敵軍を倒すため兄に成りすまして敵討ちに立ち上がります。
実は予言者も後に気づきますが、兄は身代わりでしかなくその少女こそが運命の子供だったのです。
その戦いへ向かうの道中、馬と共に疲れを癒そうとふらっと立ち寄った温泉で出会った青年と、2人はお互いの正体を知らずに惹かれ合います。
実はその青年こそが、父と兄を殺した国王の末子本人で、その青年もまた自身がまほろばを築こうとしている方針にとって邪魔となる運命の子供を宿敵としているというありがちな展開ですが、登場人物もそれぞれに個性やカリスマ性があり、読者の好みも分かれるのではないでしょうか。
主人公の少女の人柄によって味方や助けを得て、思考錯誤しながら、作戦を臨機応変に変えながら、クライマックスで宿敵同士がお互いの正体を知るまでの間に、数々のドラマがあり、かなり見ごたえのある作品です。
また、日本中の様々な土地に行くので、その地域のランドマークなど、地理的な要素も楽しみながら読めるのもポイントが高いです。
男女問わず読んで欲しい物語です。