「SPECIALZ」なKing Gnuが生み出すカオティックな世界
人気ロックバンドKing GnuのSPECIALZです。
自らのジャンルをトーキョーニューミクスチャースタイルロックバンドと称し、日本の音楽シーンを席巻するKing Gnuは「白日」や「逆夢」など、数多くのヒットソングを輩出しました。
そのようなKing Gnuの「SPECIALZ」は、TVアニメ「呪術廻戦」第二期「渋谷事変」の主題歌として書き下ろされた作品です。
この曲で最も注目したい所は、アニメの世界観を最大限に表現したサウンドです。
第二期の渋谷事変は、渋谷を舞台に多くの犠牲を払い対立する二大勢力が戦ったシーズンです。
「SPECIALZ」は、戦場となる渋谷のどんよりした世界感をダーク間の強いビートで表していることが分かります。
このビートを基盤に曲が進んでいくことで、戦いがカオティックの境地に達していることを描いていることも伺えます。
King Gnuの曲には、カオティックなアレンジが組み込まれていることが多いです。今回はそのカオティックな世界を彼らの思う存分発揮した一曲となっています。
暗いビートの中で進んでも、ずっしりインパクトのあるサビがあります。ここでは、なにかと戦っている様子がイメージできます。
また、私が驚いたのはこれだけではありません。
King Gnuが劇場版「呪術廻戦0」で書き下ろした主題歌「一途」のコード進行と(回想を除いた)その続きである渋谷事変のOP「SPECIALZ」のコード進行が類似しているのです。
BPMの速さと楽曲のアレンジの違いで全く違うように感じますが、これは話が続いているということを表しているのでしょうか。この2つの楽曲を聞き比べるのも楽しいです。
書き下ろし作品ならではの伏線を彷彿とさせる歌詞が多く見られました。こちらでは、あくまでも「楽曲レビュー」とさせていただくので深掘りはしませんが、テーマは「呪い」や「友情」といったところでしょう。
King Gnuらしさも顕著に見られながらも作品とも合致しているサウンドと相まって両者のファンも大絶賛の作品となっているでしょう。
私も大満足です。自信を持ってオススメすることができます。