こんな高校生の日常を過ごせたら、実は一生の宝物かも。
セトウツミってなんのこと?セト・ウツミ?そう、これは瀬戸と内海という、関西の男子高校生二人が毎日毎日、放課後の時間を目的も約束もないままに駄弁って過ごすだけの作品といってしまえばその通りなのですが...。始まりはただの偶然。クラスも違えば学内ヒエラルキーの中で属するポジションも違う二人が、この河川敷ではナチュラルにフラットに会話をし、その会話がなぜかめちゃくちゃ面白いんです!典型的なシンプルバカっぽい瀬戸と、これまた典型的な秀才の内海の距離感が、話が進むにつれて縮まっていくところがまたいいのですが、それが漫画でしか描けない独特の間合いとか空気感から伝わってくるところがなんとも味わい深いです。全8巻のこの作品、瀬戸と内海のかかわりに、同じように河川敷で過ごす大道芸人やクラスメイト達、憧れのマドンナや後輩JKが絡みつつ最終巻に向かいます。最終巻で行われる伏線回収はまさに圧巻。ラストの瀬戸と内海のやりとりや河川敷の光景には、今まさに10代を過ごしている若者も、10代が懐かしい時間になっている大人も、心にしみるものを感じるはず。読み終えた後にもう一度第1巻から...という人は少なくないのではないでしょうか。高校生のぐだぐだしているだけに思える日常って、実はキラキラの宝物の時間だったりするんだなあと感じれられる作品です。