壮大な世界観と美しい映像
タイトルからホラー系のゲームに思えますが、その実、荷物を延々と運ぶ配達屋さんが主人公です。
舞台は現代文明が「時雨」という時間を奪う雨により滅び、生き残った人類が身を寄せ合い、または地下シェルターに避難し孤独に暮らしています。それはまるで今私たちが生きている社会の未来のようであり、物流が過度になり人と会わなくても物が届き仕事が出来暮らしていける、配達の技術が発達した矢先に文明が滅んだかのようでした。
国と人が分断された世界で配達人はライフラインを支える重要な役割を持っていました。主人公であるサムは生き残った人々のライフラインを支えるため荷物を運び続けます。現実にあるかのような世界観と、現実にはあり得ない「時雨」や「ビーチ」の存在。死後の世界や現代社会の在り方まで考えさせられる奥の深い世界です。
またゲーム性もよく、オープンワールドで自由に移動できるのも魅力です。ホラーではありませんがところどころ怖い表現はあり、ビクッとしてしまうことも。荷物を運びたいだけなのに、ハラハラドキドキな展開や大きな敵と戦ったりと大いに楽しませてくれます。基本的には静かな作風ですが、随所に散りばめられている遊び心はプレイヤーの心をくすぐります。サムのお茶目なところも必見です。