ホリミヤ / 堀さんと宮村くん / 堀宮

『ホリミヤ』とは、HEROによる『堀さんと宮村くん』を原作とし、構成を新たに萩原ダイスケが作画を担当した青春ラブコメ漫画である。2011年11月号から2021年4月号まで『月刊Gファンタジー』(スクエア・エニックス)に連載され、コミックスは全16巻でシリーズ累計販売部数は700万部を超えている。原作の『堀さんと宮村くん』はウェブコミックとして、ウェブサイト『読解アヘン』で2007年2月から公開され、2008年から単行本がスクエア・エニックスから出版された。
「色々な友情・恋愛の形が許せる方推奨」とし、同性に惹かれるキャラクターも登場する。
物語は派手な見た目に反して成績優秀で家庭的な堀京子(ほりきょうこ)と、学校では地味で暗いが普段はピアスをしタトゥーを入れ派手な恰好をしている宮村伊澄(みやむらいすみ)の恋愛を中心に、友人の恋愛を含めた高校生活の日常を描いている。
『ホリミヤ』には原作の『堀さんと宮村くん』にないオリジナルストーリが盛り込まれている。
2021年1月から4月まで『ホリミヤ』を原作としたテレビアニメが放送された。またテレビドラマも制作され、2021年2月から3月まで毎日放送の深夜ドラマ枠で放送された。堀を久保田紗友、宮村を鈴鹿央士が演じる。

ayatani112のレビュー・評価・感想

ホリミヤ / 堀さんと宮村くん / 堀宮
8

多面性と受容:『ホリミヤ』で描かれる普遍的な人間ドラマ

『ホリミヤ』は、HERO原作、萩原ダイスケ作画による作品です。この作品は、高校生の日常と恋愛をテーマにしていますが、その一方で人々が持つ多面性や偏見、友情、家族といったテーマも織り交ぜられています。
主人公の堀京子(ホリ)と宮村伊澄(ミヤ)は、学校ではまったく異なるイメージを持つ二人です。ホリは学校では美人で成績優秀、社交的な女子高生として知られていますが、家では家事と弟の面倒を見る真面目な姉。一方のミヤは、学校では地味で目立たない存在ですが、実はタトゥーとピアスを持つ個性的な一面があります。二人が偶然の出会いを果たし、その多面性を受け入れ合うことで、深い関係が芽生えます。
この作品の魅力は、登場人物たちが持つ「裏の顔」を通じて、人それぞれに複数の側面があることを教えてくれる点です。それは主人公たちだけでなく、サブキャラクターにも当てはまります。この多面性は、読者自身が持つ「他人には見せられない一面」に共感を呼び起こさせるでしょう。
また、ホリとミヤの関係性は非常にリアルであり、恋愛が主軸であるとはいえ、友情や家族に対する愛情もしっかりと描かれています。この作品は、単なる高校生の恋愛話ではなく、成長と自己受容、人それぞれの「普通」を尊重する重要性についても考えさせてくれます。
漫画のアートワークも見事で、表情や仕草が非常に細かく描かれています。これによって、登場人物たちの感情がより鮮明に伝わってきます。
全体として、『ホリミヤ』は多くのテーマを繊細かつ力強く描き出しており、高校生の日常を超えた普遍的なメッセージを持っています。恋愛だけでなく、人間関係や自己認識について考えさせられる作品です。