辺境の老騎士 バルド・ローエン

辺境の老騎士 バルド・ローエン

『辺境の老騎士 バルド・ローエン』(へんきょうのろうきし バルド・ローエン)とは、支援BISによる小説、およびそれを原作とした漫画作品。原作小説は2014年から「小説家になろう」で連載が開始され、同年に書籍化されて第1巻が発売された。2016年からは菊石森生の作画により、『ヤングマガジン サード』誌上でコミカライズ化され、同系列の『ヤンマガWeb』『ヤングマガジンWeb』等のサイトでも掲載されている。連載開始翌年の2017年にコミックス1巻が発売された。
かつては「人民の騎士」と呼ばれ、辺境を守り抜いた英雄であるバルド・ローエン。老いた彼は名誉も地位も捨て、死に場所を探すために旅へ出る。しかし、その道中で出会うのは、美味しい料理と豊かな自然、そして思いがけない人々との縁など、楽しいものばかり。静かな余生を過ごすはずだったバルドの旅だが、やがて領主の陰謀や戦乱に巻き込まれ、再び剣を取る運命へと繋がっていくのであった。

4vNacchan-Kana46のレビュー・評価・感想

辺境の老騎士 バルド・ローエン
10

正統派ハイファンタジーグルメ作品

若者のハイファンタジー作品はいくつかあるものの、本作はめったにない58歳の老騎士バルドが主人公の作品です。
バルドは生まれ育った守るべき故郷が危機に瀕した際、問題を解決し救う代わりに、自分の全財産を投げ出し、放浪の旅に出ました。老いた先にある死出に行くつもりの旅は、やがて世界を救う旅になっていきました。
主人公が若者のときにありがちな葛藤の描写が少なく、むしろバルドは若者を導く立場の主人公でした。
よくあるハーレム要素が一切存在しないうえ、だますような神から力を授かる能力ではなく、長年の経験と技術に重きを置いているため、とても説得感がありました。
何より最も特徴的なことは、グルメ漫画と思ってしまうほど、食事の描写がとても詳しく濃厚でした。食欲を刺激させる想像しやすい表現の巧みさは、ほかの追随を許さないでしょう。
全く現代と異なる感嘆の表現や、長さの単位、食事の調味料まで、徹底したこだわりは、まさに「ハイファンタジー」と呼ぶにふさわしいでしょう。
個性豊かな仲間たちとのバルドの世界を救う旅は、あるときは戦いの苦難、あるときは人々との笑い、あるときはそれぞれの地方の美味しい食事がありました。『辺境の老騎士』は自信をもってオススメできる作品です。