魔法少女まどか☆マギカ / まどマギ / Puella Magi Madoka Magica

魔法少女まどか☆マギカ / まどマギ / Puella Magi Madoka Magica

『魔法少女なんてもういいですから。』とは、双見酔が2015年から2018年まで『コミック アース・スター』で連載していた漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。スーパーからの買い物帰り、奇妙な生物に話しかけられた主人公の葉波ゆずか。不思議な生物・ミトンから魔法少女にならないかと誘われたゆずかは魔法少女になることを決意するが、変身したコスチュームは肌も露わな水着だった。従来の戦う魔法少女ものとは違った、日常もののゆるかわ魔法少女コメディになっている。

9ysilvercat509のレビュー・評価・感想

魔法少女まどか☆マギカ / まどマギ / Puella Magi Madoka Magica
10

主題歌のほんとうの意味を知るとき

「交わした約束忘れないよ 目を閉じ確かめる 押し寄せた闇振り払って進むよ」
これは『魔法少女まどか☆マギカ』の主題歌、「コネクト」の歌い出しです。我々視聴者はこの歌詞と共にまどかたちの出会い・別れ・苦悩・葛藤を見届けていくわけですが、この歌の「ほんとうの意味」がわかるのは、本作の10話の本編が終わり、エンディング曲としてコネクトが流れ始めた瞬間でしょう。今まで、てっきりまどかの歌だと思っていたこの曲の意味は反転し、謎多き魔法少女ほむらがこれまで幾度となく戦ってきたその積み重ねや傷や挫折、それでもなお諦めずにたった一人の友人を救おうと足掻き走り続けるその様をありありと描いていた、ほむらのための主題歌だったと気が付いた瞬間に全身に鳥肌が立ちました。

時間を操ることができるほむらは、まどかとの約束を果たすためだけに、何度も何度も同じ時間を繰り返し、そのたびに失敗し、まどかを失い傷つきます。それでも一度も絶望することなく、ひとりきりで戦い続けるほむらの姿を映すように、コネクトの歌詞は「もう何があっても挫けない」と締められ、10話のエンディングはきっとほむらも望んでいたであろう、まどか、ほむら、さやか、マミ、杏子の5人が同じ場所に立って魔法少女を続けている姿で終わります。あるべき明日を取り戻すために。ただひたすらに、友人を救うために。「コネクト」は、そんな願いを叶えるため、ひとりきりで戦い続けるほむらの決意の歌だったのです。
アニメ1話の段階ではこんな展開を微塵も感じさせないくらいに完璧な「魔法少女モノ」のオープニングテーマとして擬態していた「コネクト」。この歌のほんとうの意味を知るためにもこの作品を見続けるべきと言えるくらい、まさに「主題歌」として相応しすぎるこの曲から得られるカタルシスを10話でぜひ感じてほしいです。