この物語はいったい何なのだろう
大学生時代に学内の本屋で出会った作品。登場人物も作中の風景も全体的にリアルで静かでもの悲しい。主人公のプンプンの両親が家庭内暴力の末に離婚するし、大好きな愛子ちゃんは変な宗教入ってる母親に人生の手綱握られてるし、そのあとのプンプンも他の人物も日常の中で悲しいことばかりで、読者の私の精神状態に悪いものが溜まっていた。教習所で再会したプンプンと愛子ちゃんは、お互いの嫌な生活を捨てて鹿児島への逃亡をはかる。幼いころからの想い人と駆け落ちしてハッピーエンドかと思われた、しかし、道中に愛子ちゃんは自分のパンツを口に詰めて自殺……。最後にプンプンは高校時代に訪れた展覧会で出会って、その後もちょくちょく登場していた南条幸と結婚してハッピーエンドで終了した。
読み終えた当時、プンプンって何だったんだろうと、マジでツイッターに書き込んだ。それくらいこの物語が十三巻も書き続けられてきた意味が不明だった。長く思い続けていた愛子ちゃんとの関係が、愛子ちゃんの自殺と、鹿児島まで追いかけてきた南条幸に見つかったことで終止符を打ったのが、腑に落ちきれなかった気持ちもあったかもしれない。一人の人間の人生の一部(悲しいところばっか)を本にして、ここから幸せになるのかなと思われるところで終了した、という感じだった。
高校時代の友人の三村君が卒業後もアホ全開で、可愛い彼女もできて幸せそうにしてたのが唯一のキレイどころだと思う。