省エネ主義の主人公と好奇心の猛獣ヒロイン
『氷菓』は岐阜県高山市を舞台にした、日常と青春ミステリーアニメです。何事にも積極的に関わろうとしない「省エネ主義」を信条とする神山高校1年生の折木奉太郎が主人公で、彼の姉供恵からの手紙を読み、古典部に入部します。古典部には同じ1年生の千反田える、福部里志、伊原摩耶花が入部して古典部は復活します。特に、千反田えるは好奇心が強く、些細なことでも気になる性格をしています。そんな彼女に振り回されながら、省エネ主義の奉太郎は多くの謎を解き明かします。
このアニメの魅力は、主人公の推理力です。勉強、スポーツは特に優れていません。しかし、奉太郎は才能があります。彼自身は自分を大した人間じゃないと言っており、自分自身の価値に気づかないのは、かなりの鈍感系主人公だと思います。第三者から見ると、彼の推理力は常人を逸脱しています。千反田えるは勉強が優れていて、大金持ちのお嬢様です。しかし、推理力は全くない、といったギャップがあるので、彼女自身も魅力的です。千反田えるは少々、自分の気になることを奉太郎に解決してもらおうと、少々強引にお願いしており、奉太郎自身はすぐに抵抗を諦めて謎を解いていることから、二人は探偵と助手に見えます。しかし、ここでは助手に振り回される探偵という形なので、かなり意外性のあるアニメだと思います。