美しすぎる東京スタイルロック
私が初めてKing Gnuを知ったのは、テレビ番組。手を止めて聴き入ってしまったその理由は、優しく繊細な、美しすぎるハイトーンボイスでした。
そんなボーカルと、ジャンルレスで個性的な楽器陣によるKing Gnuは、とても緻密で繊細なロックバンドです。
音楽に詳しい人がきいたら「すごく難しい!」と思うようなことをサラッとしている一方で、特にこだわりがない人がきいても口ずさんでしまうようなポップさで音楽を発信しているのです。
自分たちの音楽を、「トーキョー・ニュー・ミクスチャー・スタイル」と表現しているのですが、彼らの曲をきくと、本当にしっくりくる言葉です。
東京の都会的でありながら多くの情報や感情がざわざわと入り混じった感じ、そこにあるキラキラとした希望の光のようなものがあります。
壮大でオーケストラを感じさせるような曲があるかと思えば(実際にギターetcの常田さんはオーケストラでチェロを弾いたりもします)、少年が走っている青春のようなロックがあったり、ジャズやR&Bのグルーブで踊りたくなるものもあります。
いずれにせよ、うたいたくなるのです。
どんなに難しい要素も上質なPOPで包んでくれるので、とても聴きやすく、美しい音楽だなぁ、と聴く人がどんどん引き込まれていきます。