タッチ / Touch

『タッチ』は、あだち充原作の野球をテーマにした人気漫画・アニメシリーズである。物語は3人の幼馴染である、野球部の達也、和也、マネージャーの南の高校生活・人生を描いている。このアニメ化された「タッチ」は1985年から1987年にかけて放送され、多くのファンを獲得し、批評家からも高い評価を受けた。このシリーズは、よく練られたキャラクター、リアルな野球の描写で知られている。
特に物語の展開としては、主人公たちが抱える家族や恋愛、友情、そして野球といった様々なテーマを巧みに絡め合わせている点に評価が高い。野球シーンにおいても、勝利や敗北のみではなく、一人の選手の成長や挫折、そしてチームメイトとの絆を描くことで、野球というスポーツが持つ人間ドラマを描き出している。
このアニメには数多くの感動的なシーンがあるが、代表的なものとしては、第一シリーズの最終話である「Goodbye, my brother」が挙げられる。このエピソードでは、兄弟のうちの一人が事故に巻き込まれる。このシーンは、劇中で描かれた兄弟の絆や友情、そしてその絆を共に育んできた過去の回想シーンなど、感動的な演出が多く盛り込まれている。
漫画とアニメの両方でスポーツジャンルに大きな影響を与え、業界の多くのクリエイターに影響を与えた。

takuya1995のレビュー・評価・感想

タッチ / Touch
9

恋愛野球漫画の王道

あだち充作品の最も有名な漫画。
野球を題材にしているが、スポーツ根性ものではなく、双子の兄弟たつや・かずや、幼馴染のアイドル的存在・みなみを中心に、恋愛色が強い。
たつや・かずやは、2人ともみなみが好きだ。兄弟で取り合いになってしまうという展開はありふれてはいるが、そのありきたりな部分を超越した面白さがある。
登場人物の絶妙な感情表現が上手で、劣等生たつやの控えめな感じや、優等生かずやの積極的なところが、現実にいそうで感情移入しやすい。
かずやが甲子園を目の前にして亡くなってしまうときは、思わず泣いてしまった。かずや亡き後、たつやとみなみの関係が微妙になってしまうが、たつやが野球に目覚めて才能を開花させていく様は、非常に見ごたえがある。
とんとん拍子に展開が進んでいきそうだが、途中からクセのある野球部監督が現れ、ハラハラする。監督のヒールっぷりは、なかなかのもの。竹刀を持って野球部の練習場に登場し、更にはお酒まで飲みだす。野球部に恨みを持っているところがリアルだ。また、たつやのライバル、新田君や西村君のキャラクターも絶妙で、バランスがいい。新田君はかずや同様超イケメンで大型スラッガー、西村君は不細工で女にもてないピッチャー。しかも、2人ともみなみを好きになるという笑っちゃう展開。
最後はしれっと甲子園で全国優勝しちゃうたつやが、本当にかっこよい。