漫画「聲の形」の紹介
この漫画を読むことで世界の見え方が変わりました。
1巻から順を追って読んでいくと胸がぎゅっと苦しくなるシーンも多かったのですが、将也と硝子の間を取り巻く想いが声にならない聲となり少しずつ前を向いていける描写に涙が溢れました。
「聲の形」というタイトルから「声」を「聲」という字に置き換えて表現している大今良時先生にも感銘を受けます。
1巻の時点ではとんでもないガキ大将でいじめっこの将也は硝子を遊びの道具にし、次第にエスカレートしていきます。周りのクラスメートも将也に賛同し止める者はいません。そんな将也やクラスメートに対して硝子は必死に仲良くなろうと歩み寄りますが、ある日二人を決別させてしまう事件が起こります。それによって硝子は転校し、将也は今までのツケが返ってきたかのように孤立します。自業自得と言ってしまえば簡単に話が終わってしまうのですがこの物語はここまでがプロローグでこの先から本編へ移っていくような構成をしています。
2巻からは高校三年生になり人生に絶望しきった将也が最後に硝子に会いに行こうとします。そこから将也の今まで下を向き目をそらしていた世界が動き始めるのですが、1巻で挫折しそうになった方でも必ず2巻までは読んでほしいと思います。読むのが辛いシーンもあるのですが最後まで読んだあと大事なことに気づかされ、心が暖かくなる素晴らしい作品です。