ギャグの王様
『銀魂』はギャグとシリアスの使い分けが凄い。ギャグかと思えばシリアスで泣けるし、シリアスかと思えばギャグで笑える、そんな作品である。
例えば歌舞伎町四天王編では、銀さんと初登場キャラの平子とのギャグ絡みが序盤にあるが、実は平子は敵でしかも四天王の一人、次郎長の娘であるというシリアスな展開がにゅるっと入ってくる。そこで読者と視聴者はどんどん物語にのめりこんでいく。
サブキャラだと思われていたお登勢と次郎長の三角関係もストーリーに入っていて、物語が魅力的に感じる。お登勢の「あいつらなんの役にも立たない、ただのあたしの家族さ」というセリフには涙を誘われ、お登勢がメインキャラの仲間入りした瞬間だと感じた。
それにお登勢の仲間であるキャサリンが、お登勢が次郎長に傷を負わされ涙を流していたのも、「お登勢さん死なないでくれ」という共感を誘ってこっちまで泣きそうになった。
主人公の銀さんはお登勢がやられたのに対し次郎長に怒る。その瞬間のアニメの表現が白黒なのだが、一番素晴らしいと思った。銀さんとお登勢の絆が再確認できる人間臭い場面だと思った。本当に万事屋とお登勢たちの絆は泣かせるものがある。そのあとは万事屋たちが敵と戦いあっていくのだが、最終的にどうなるかは皆さんの目で確かめてほしい。