拝啓:「ニーア」を知らない皆さまへ
私が初めてプレイしたゲームは、1997年にスクウェア(スクウェア・エニックス)から発売された「FINAL FANTASY(ファイナルファンタジー)7」でした。
今でこそ古臭く感じるCGも、当時はグラフィックの美しさに感動し、ストーリーに夢中になり、寝る間も惜しんでプレイしていました。
ゲームの面白さに目覚めた私は、その後もたくさんのゲームをプレイし、兄よりもゲーム大好き人間になってしまいました。
そんな私が一番おすすめしたいゲームが、「NieR:Automata(ニーア・オートマタ)」です。
こちらは2017年に、スクウェア・エニックスから発売されたアクションRPGとなっています。販売本数700万本を記録した大ヒットゲームなので、プレイした方も多いでしょう。私としては、「できることなら、記憶を消してもう1度初めからプレイしたい」と思えるほど素晴らしいゲームでした。
ちなみこのゲーム、2010年に発売された「NieR Replicant(ニーア・レプリカント)」および「NieR Gestalt(ニーア・ゲシュタルト)」(プラットフォーム、主人公が違いますが、ストーリーは同じ)の続編にあたりますが、プレイしなくても特に問題ありません。しかし、プレイしているとより楽しめるものになっています。
ずっとずっと先の未来、機械生命体と呼ばれる兵器が現れ、人類は月へ逃げていました。機械生命体を倒すため、地球を奪還するために作られたのが、アンドロイド兵士です。
彼らは廃墟となった地球で機械生命体と戦いを続けていきますが、主人公たちは激闘の中、徐々に隠された真実に近づいていきます。
ディレクターのヨコオタロウ氏は、「ニーアの世界はわざと彩度を落とした色にしている」と語っていました。確かに晴れた空でもくすんだ色で、退廃した世界を物語っています。
周回ゲームなのでエンディングは全部で5つありますが(厳密に言えば26個ですがストーリーと関係ないエンディング)、同じシーンであったとしてもプレイするキャラクターが違ったりするので、退屈することはありません。それどころか、壊れていく世界と明かされてゆく真実に翻弄され、コントローラーを持つ手が徐々に重くなります。私は、このゲームで何度も涙を流しました。
「鬱ゲー」で有名なヨコオ氏の本領発揮といったところでしょう。
そして悲しくも美しい世界と、残酷な運命を生きるアンドロイド達の世界を彩る、岡部啓一氏の切ない音楽も魅力的です。ニーアシリーズは音楽も素晴らしく、しばしばヨコオ氏は岡部氏に対する嫉妬を口にしています。実際、ニーア・オートマタのサウンドトラックは、ゲームサントラとしては異例の10万枚の売り上げを記録しており、Amazonレビューの中には「プレイはしていないけれど、音楽が好きなので購入した」といった意見もあるほどでした。
ジャンルはアクションRPGですが、親切設定なので「イージーモード」や「オートモード」にすれば攻撃や回避を自動で行うことができ、アクションゲームが苦手な方でも楽々でプレイできます。
ニーアの魅力は多くの方がご存じでしょうが、未プレイという方には絶対におすすめしたいです。「ニーアファンがもっと増えてほしい!」と心から思うゲームでした。