手に入れたのは自身の名誉か、家族や仲間の愛か。
人は生きていく上で何を守るべきなのか。困難をどう乗り越えていけばいいのか。
そのヒントを、登場人物の生き様や作中で歌われる音楽から得ることができるミュージカル映画。
物語はヒュー・ジャックマンが演じる主人公のP・T・バーナム(以下、バーナム)が、コンプレックスを抱えた一般人をサーカス団に誘い、「地上最大のショー」を創り上げるというもの。
ショーを始めた当初は、サーカス団員(以下、団員)の異様な出で立ちから抵抗を覚える人ばかり。しかし、バーナムは団員が持つコンプレックスをエンターテイメントにおける武器とし、次第にショーに人々は魅了されていく。たちまち成功者となったバーナムだが、ある一流オペラ歌手との出会いによって家族や仲間との関係が変わっていってしまう。
この作品から得られることは、「弱点は長所になる可能性を秘めている」こと。そして、「生きていくうえで大切なことは自尊心や名誉ではなく、家族や仲間との繋がり」であること。
日の目を見た人間は大なり小なり自尊心が生まれ、さらにその先の成功を求め貪欲になることが多いだろう。それ自体に誤りはないが、「成功の根源にあるもの」や「本当に大切なもの」は決して忘れてはいけない。手離してはいけない。
そんな戒めを感じれるのが、この作品の大きな魅力の1つだろう。