KUBO/クボ 二本の弦の秘密

KUBO/クボ 二本の弦の秘密

『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』は2016年に公開されたファンタジー・アクション冒険映画。製作・監督はトラヴィス・ナイトが務める。トラヴィス・ナイトにとっては演出デビュー作でもある。制作には3Dストップモーション・アニメーションが用いられている。
舞台は封建時代の日本。魔法の三味線を操る主人公のクボが、邪悪な叔母や自身の左目を奪った祖父のライデンを倒す宿命を課せられる。
本作は英国アカデミー賞 アニメ映画賞を受賞した他、、アカデミー長編アニメ映画賞とアカデミー視覚効果賞にノミネートされた。

SNW2017のレビュー・評価・感想

KUBO/クボ 二本の弦の秘密
10

ストップモーションの最高峰

さすがライカ。前作の『コララインとボタンの魔女』をDVDで鑑賞し、ライカのファンになり、クボは映画館の大スクリーンで鑑賞でき感無量。
人や背景、小道具すべて粘土で作られているとは思えないほどの細かさ、そして壮大さを感じるカメラワーク、ストップモーションとは思えないほどの滑らかで優美な動作、一瞬でクボの世界に引きずり込まれる。
外国人目線で描かれる日本の文化や、昔話を元としたストーリーで古き良き日本を新しい目線で再発見させられた。

昼間は村へ行き、三味線の芸を披露する。
軽快な三味線の音にのって飛び出し、形を変える色とりどりの折り紙が美しい。その折り紙たちが紡ぐ愉快で手に汗握る物語。
だが夜になると空気は一変し、ゾクゾクするほど暗く怖く不安になる場面が続く。しかしどんな場面でも、たとえ泣いてしまったとしても、頑張るクボの姿は健気で応援したくなる。
おおまかなストーリーは途中でうすうすわかってしまうが、予想通りだったとしても心はじんわりあたたかくなる。
そして最後にわかるタイトルの意味はストンと納得がいく。
家族のあたたかさを感じる一本。
ファミリーでも、もちろん一人でも、ぜひ多くの人に観てもらいたい。
見るたびに発見があり何回も見返したくなる作品だ。