ストップモーションの最高峰
さすがライカ。前作の『コララインとボタンの魔女』をDVDで鑑賞し、ライカのファンになり、クボは映画館の大スクリーンで鑑賞でき感無量。
人や背景、小道具すべて粘土で作られているとは思えないほどの細かさ、そして壮大さを感じるカメラワーク、ストップモーションとは思えないほどの滑らかで優美な動作、一瞬でクボの世界に引きずり込まれる。
外国人目線で描かれる日本の文化や、昔話を元としたストーリーで古き良き日本を新しい目線で再発見させられた。
昼間は村へ行き、三味線の芸を披露する。
軽快な三味線の音にのって飛び出し、形を変える色とりどりの折り紙が美しい。その折り紙たちが紡ぐ愉快で手に汗握る物語。
だが夜になると空気は一変し、ゾクゾクするほど暗く怖く不安になる場面が続く。しかしどんな場面でも、たとえ泣いてしまったとしても、頑張るクボの姿は健気で応援したくなる。
おおまかなストーリーは途中でうすうすわかってしまうが、予想通りだったとしても心はじんわりあたたかくなる。
そして最後にわかるタイトルの意味はストンと納得がいく。
家族のあたたかさを感じる一本。
ファミリーでも、もちろん一人でも、ぜひ多くの人に観てもらいたい。
見るたびに発見があり何回も見返したくなる作品だ。