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平和とはなにか。
読み進めるうちにドンドン引き込まれていく作品。
主人公トルフィンの復讐劇として始まるストーリーであり、濃厚なバトルシーンにハラハラドキドキする感覚を味わえる。復讐相手の一味として、復讐の機会を探りつつ、いつしか共闘もしながら、話が進んでいく。キングダムのような戦争モノの王道な展開を感じた頃に、急に復讐劇は幕を閉じる。
このマンガはココからが面白い!!
復讐に囚われそれ以外に無頓着だったトルフィンが、戦争によって奴隷になった者、家族を失った者…様々な人と出会い成長を遂げていく。そして、平和な世界を作るためにヴィンランドを作り上げていく。そんな壮大な世界観にストーリーが拡張さていく。
戦争では負けなしのトルフィンだったが、見るもの全てが新しく、学びながら一歩一歩前に進んでいく。道中では自分が傷つけたものが目の前に現れ自覚をしていく。傷つけてしまった過去には戻れない、そして元には戻せない。しかし、目は背けずに償いをしていく。苦悩と葛藤の日々を過ごしながらも誠実に生きるトルフィンの姿は考えさせられるものがある。
大胆なフェーズの切替があるものの、しっかりと伏線を散りばめ回収し、ストーリーとして線で繋がっている。絶妙。