D.A.N.

kuroking555のレビュー・評価・感想

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D.A.N.
10

バンドサウンドとクラブサウンドの相乗効果

このアルバムを端的に表すのなら、「夜」という言葉が一番しっくりとくるのではないかと思う。
このバンドのサウンドはいくつものレイヤーが積み重なり、そしてその残響音に体を無意識に揺らされるのである。
D.A.N.というバンドは三人組からなるバンドである。そんな彼らは様々なアーティストからの影響を受けている。
オルタナティブやクラブシーンからの影響を受けているのは言わずもがなであるが、宇多田ヒカル、KIRINJIなどのポップスなどからも影響を受けている。
ボーカル櫻木大悟の織り成す歌詞は非常に情景描写などの表現に優れていると感じる。状況変化を端的に表すことでD.A.N.のアーバンなサウンドを決定づけてくれるのだ。

アルバムの収録曲は全8曲である。すでにミニアルバムなどに収録されている「POOL」、「Ghana」に加え新録の6曲で構成されている。
最初に記述したように、レイヤー層の厚さがあるのにも関わらず、音数の多さは感じないシンプルな構造で、リズム隊の素晴らしい演奏を深く感じることができる。それでいてどこかに怪しさを感じるシンセサイザーやボーカルによって、現実世界からの乖離をこのアルバムを聴いている間は体感できるのである。