魔王 JUVENILE REMIX

魔王 JUVENILE REMIX

『魔王 JUVENILE REMIX』とは、2007年から2009年にかけて『週刊少年サンデー』で連載されていた大須賀めぐみによるサスペンスアクション漫画。原作は伊坂幸太郎の『魔王』。都市開発が進み、治安悪化が進む猫田市。その街のヒーローである犬養舜二の裏の顔を知ってしまった安藤は、犬養の思惑を阻止すべくたった一人立ち向かう。
少年漫画では珍しい「腹話術」という地味な能力を使った躍動感のある戦いや、個性的なキャラクター達が織りなすスリリングな展開が魅力。

Tachi551のレビュー・評価・感想

魔王 JUVENILE REMIX
10

主人公はどっち?

この漫画は、伊坂幸太郎先生の魔王やグラスホッパーをもとに描かれています。ですので、原作を読んだことのある方は絶対気に入ると思います。内容としましては、第一章と第二章に分かれており、それぞれ安藤兄弟の兄と弟の話になっています。第一章では兄と兄のライバル的存在の対峙、第二章では兄の叶わなかった思いや目的を弟が果たすという構成になっています。すべてを読み終えると、そっちが主人公だったのかとなるような構成で、伏線もしっかり張られています。またこの兄弟には超能力があるのですが、二人とも非常にちっぽけで一見いらないなと思うような能力です。その能力をうまく使って敵に立ち向かっていく様は無謀のように見えますが、二人の覚悟と責任感が感じ取れて心打たれます。敵の超能力が強力なのも相まって敵との対比が非常にうまく表現されております。また、ストーリーには様々な殺し屋が登場しますが、どの殺し屋もキャラクター性や能力が印象に残りやすく、見ていてとても心躍ります。その中でも蝉という殺し屋がいるのですが、このキャラクターはかなり人気で、その人気ゆえに同じ作者からスピンオフ漫画も登場しております。どちらの漫画も非常に面白いので、是非読んでみてください。