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遠い未来だった... 遠い国だった... 音楽が異文化理解に最も役立つ優れた人類の遺産であることの理由
安室奈美恵さんの『NEVER END』は、日本で開催された九州沖縄サミットのテーマソングだが、未だに多くのリスナーを魅了して止まない。
このソングは、小室哲哉さんが作曲・総合プロデュースを担当したが、彼のオリジナルサウンドトラックの魅力とも相乗効果・シナジー効果がある。安室奈美恵さんの持つ艶やかな音色、ドライな音質が、見事に発揮されるような作曲家としての裁量も加わり、彼女の歌唱力が最大限に発揮されている。
『NEVER END』においては2人の相性以上に、琉球三味線のやや長めのソロが、インストラメンタル音楽の素晴らしさを再認識させてくれる。クラシック音楽と琉球民謡風のブレンド感が、得も言われぬ輝きを持って響き渡る。最後の方から参加してくる児童合唱団も、童謡やコーラスのハーモニーの豊饒な響きが、日本のサミットを飛び越えて、世界中に響き渡るようである。
彼女が愛した、琉球の壮大な海鳴りやさざ波は、彼女の音楽体験の原点であり、多くのリスナーに永遠の平和の夢となって、天使の歌声・調べとして、世紀末を意識させつつ、遥か宇宙にまでも到達していることだろう。